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日露戦争~第一次世界大戦(明治37年~大正7年/1904~1918)
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討てや討て討てロシアを討てや
我が東洋の平和を乱す
敵ロシアを討て討て討てや
我が帝国の国利を侵す
敵ロシアを討て討て討てや

清国事変ありしに乗じ
満州三省占めたるロシア
引くべき時はとく過ぎぬるに
いよいよますます地歩をば固む
けだしその地を併せん心

ああ満州がその有たらば
韓の保全たちまち崩れ
東洋平和期すともならず
煩いついに我にも及び
国利は哀れ空しくならん

交渉重ぬる半年ばかり
曲げず譲らぬそれのみならず
韓の境を早くも侵し
軍備いや増す陸に海に
ああこれ平和を愛する所為か

明治三十七年二月
霹靂一声勅は下りぬ
勅は下りて我が国民の
意気は天を衝きなんばかり

討てや討て討てロシアを討てや
我が東洋の平和を乱す
敵ロシアを討て討て討てや
我が帝国の国利を侵す
敵ロシアを討て討て討てや
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作詞 森林太郎

西施楊貴妃の生まれた親の
自慢娘の旅順じゃけれど
昔口説いてつい落ちたのを
いつか忘れて養女に行って
今じゃロシアの箱入り娘
落ちぬ噂が世界に高い

鉄条網の八重の関据え
掩蓋深く姿も見せず
水門口から忍んで行けば
探海灯の目で脅しつけ
今じゃロシアの箱入り娘
落ちぬ噂が世界に高い

勧降書と言う付け文見ても
けんもほろろの素気無い返事
頼みに頼んだ白襷さえ
途中まで行って追い返された
今じゃロシアの箱入り娘
落ちぬ噂が世界に高い

今じゃロシアの箱入り娘
落ちぬ噂がよし高いとも
昔落とした馴染みじゃもの
今度落さにゃ男が立たぬ
落ちぬ靡かぬ名代の娘
日本男子が落として見しょう

恋の邪魔するクロパトキンが
沙河の向こうでもじもじする内
こっちゃお先へもうお正月
屠蘇の機嫌で口説いて見たら
落ちぬ靡かぬ名代の娘
まともころりとつい落された
作詞 佐々木信綱

見よや見よや玄界灘に
対馬の瀬戸に仇波騒ぐ
現れ来たる敵艦数隻
常陸丸をば囲みて襲う

悔し悔し敵の弾丸に
見る見る船は沈みて行けど
武装をなさぬ運送船の
手出しもならぬ恨みぞ深き

哀れ哀れ忠勇無比の
我がつわものが諸手をつかね
敵に向かわん手立てもあらず
船を挙りて死するかこの日

屍手負い見回しながら
最期は今と心を定め
尊き軍旗押し戴いて
焼くや士官の心よいかに

君に国に捧げし命
捨つるは既に期した身にも
戦の庭を一度も踏まず
みすみす死する恨みはいかに

狂え騒げ大波小波
幾百人のつわものは
対馬の海の水底深く
恨みを呑みて一日に失せぬ

記せよ記せよ玄界灘の
水より深き恨みを記せよ
ウラジオ艦隊長くは置かじ
日本男児の手並みを見せん
作詞 佐々木信綱

蔚山沖の沖遠く
棚引き渡る黒煙
南を指して進み来る
かの三隻を見よや見よ

我が商船の数数多
不法の弾丸の的となし
沈めし敵の艦隊ぞ
待ちに待ちたる艦隊ぞ

金州丸よ常陸丸
撃ち沈めたるその折の
敵の無道の振る舞いは
神人共に憤る

三度濃霧に遮られ
取り逃がしたる敵の艦
我が艦隊のますらおが
恨み呑みつつ待ちし艦

豊栄昇る朝日影
光眩き海原を
轟き渡る砲の音
天地を込むる砲煙

雨より繁く撃ち出だす
我の砲火を被りて
敵艦いかで向かい得ん
敵艦いかで支え得ん

重き痛手を負いつつも
逃ぐるやロシアグロンボイ
一人後方に残されて
沈み果てたりリューリック

幾百人の敵兵は
渦巻く波に漂いて
浮きつ沈みつ呼び叫ぶ
沈みつ浮きつ呼び叫ぶ

刃向う敵に向かいては
鬼神のごとく戦えど
力無きをば憐れみて
救いぞ上ぐる敵兵を

彼が無道に報ゆるに
我人道を以てして
溺れ溺るる敵兵を
救いし数は六百余
作詞 佐々木信綱
作曲 上真行

押せども押せども車は行かず
進まぬ荷馬労わりて
険しき坂道深き谷
道無き道を進み行く

梅雨時の沼なす道も
日陰燃え立つ砂原も
吹雪烈しき山陰も
車を押しつ馬引きつ

靴は破れつ草鞋は切れつ
足は傷付き血は流る
雨の夕暮れ颪の朝
十里十二里十三里

暗き内より夜更くるまでも
苦しき勤め続けつつ
疲れに疲れ疲れても
安く眠らん暇も無し

等しく兵と召されし輸卒
砲の響きに血は湧けど
わき目もふらず一筋に
糧食弾薬運び行く

人に勝れる苦しみありて
華やかならぬその勤め
戦は休む時あれど
彼等は休む時あらず

御国の安危に関わる戦
御国の為の一言に
その一言に身を捧げ
あらゆる辛苦に耐え忍ぶ

輜重輸卒の隠れし勲
隠れし力人知れず
国に捧ぐる勤めには
優り劣りのあるべしや

輜重輸卒の苦しみ思え
隠れし辛苦思え人
隠れし勲思え人
涙ある人血ある人
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